2つのPDBデータの向きを揃える Protein Kinase Aの例1

PDBファイルには、同じタンパク質でもPDBファイルによって、初期の向きが異なっている場合があります。そのような場合は、重ね合わせにより、異なるPDBデータの向きを揃えることができます。

さらに、初期の向きを揃えた状態でライブラリに格納すれば、その後の解析に便利です。

ここでは、Protein Kinase A (PKA)の阻害剤H7複合体 (1YDR)とスタウロスポリン複合体 (1STC) の2つのPDBデータをの向きをAuto-Fitにより向きを揃える例をご紹介します。

2. Auto-Fit機能で重ね合わせる

  1. (1)メニューのTools > Auto Fit Chains... で2つの構造を重ね合わせます。

  2. (2)1YDRChain E(light red)に基づいて、1STCChain E(yellow green)を重ね合わせます。

  3. (3)2つの構造の向きが揃いました。

1. 1つのPageに2つのPDBデータを読み込む

  1. (1)1YDR1STCPDBファイルを開きます。

  2. (2)メニューのPage > Insert... で1つのPageに2つのPDBデータを読み込みます。

  3. (3)画面を2つに分割し、併置して表示します。

3. 好きな向きでライブラリに格納する

  1. (1)Structure Viewで回転させると、2つの構造が揃ったまま回転します。好きな向きに設定します。ここでは、阻害剤が見やすい向きにしてみました。

  2. (2)メニューのLibrary > Fix Orientation...を実行すると、ライブラリのPDBデータが、表示されている向きに書き換えられます。

  3. (3)ここまでの処理を解析の前に行っておくと、その後便利です。新しいPageでこれらのPDBデータを読み込むと、最初からこの向きになります。

  4. (4)この向きでPDBフォーマットファイルに保存するには、メニューのFile > Save As PDB Format...を選択します。

PKAと阻害剤H7複合体 (1YDR)(左)とスタウロスポリン複合体 (1STC)(右)

解析事例

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